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苔オタクは何して過ごしてる?知られざる“コケ活”ルーティンとコケテラリウムの作成手順も

岩本ゆうり

私がコケ(苔)にハマり出したのは、3年前。コケのテラリウム作成体験講座に参加したのがきっかけでした。それ以来、すっかりコケの世界に魅了され、1日のうち10時間以上はコケのことを考えています。頭の中は、コケが8割、家族が1割、仕事が1割って感じかな。

その前は、室内で何か緑の物を育てたくて、野菜の種を発芽させて新芽を食べるスプラウトを育てていました。

しかし、何か物足りなかったんです。食べるとなくなっちゃうし。
そんな時にコケテラリウムに出合いました。

繊細でナチュラルでかわいい。お世話をすればするほど生き生き育つ。そんな魅力のあるコケテラリウムに夢中になり、自分で作成した数は50個以上。

そして、家にあるコケの種類は22種類。改めて数えてみると、我ながらなかなかコケを集めています。

・ホソバオキナゴケ
・タチゴケ
・トヤマシノブゴケ
・ヒノキゴケ
・スナゴケ
・ホウオウゴケ
・フタバゼニゴケ
・コウヤノマンネングサ

・アラハシラガゴケ
・ミズゴケ
・スギゴケ
・ツルチョウチンゴケ
・ハイゴケ
・ヒメホウオウゴケ
・ムクムクゴケ

・カモジゴケ
・シノブゴケ
・カサゴケ
・コツボゴケ
・タマゴケ
・ムチゴケ
・フロウソウ

それぞれ違った魅力・可愛さがあるんですが話すととっても長くなってしまうので、それはまた別の機会に紹介できたらうれしいです。

あとは……コケのセミナーは17回受けたし、コケを見るためだけに山登りもします。専門家の話をじっくり聞きたくて、コケの学会にも入っちゃいました。

コケのセミナーはこんな感じ。ナチュラルな可愛さでワクワクするでしょ?
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山の自然なコケは、街のコケとはまた違う表情を見せてくれる

そんなコケに魅了された私の、1日のコケ生活(お家で楽しむバージョンとお外で満喫するバージョン)を紹介していきます。

日々のコケ活ルーティン(お家の中で楽しむ)

まずは、日々のコケ活ルーティンについて紹介。

お家でじっくりゆっくり楽しめるのが、コケ活の魅力ともいえます。

6:30/起床、コケの水やり

毎朝の私のコケ活は水やりから始まります。

まずは、ふたの無い器に植えてあるコケを確認。

ふたが無いと乾燥しやすいから、様子を見てあげます。

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左からホソバオキナゴケ、トヤマシノブゴケ、シノブゴケ、大きいのはシダの一種でトウゲシバ

ちょっと表面を触って、コケの湿り具合をチェック。少し湿り気があればOK。

乾燥している場合は、コケが適度に湿るまで、数回霧吹きをかけます。

続いて、ふたがしっかり閉まった密閉容器のコケの世話。

5分間、ふたを開けてあげます。

E:\テラリウム写真2024年5月\IMG_2666.JPGIMG_2666
背の高いコケはヒノキゴケ、地を張っているのツルチョウチンゴケ

というのも、フタを開けないとコケが空気を求めるのか、元気なくヒョロヒョロと伸びてしまうんです。
綺麗な姿でいてもらうためにも、こまめなお世話が大切です。

ついでに、コケの様子だけでなく、コケの下にある土の乾燥具合もチェック。

土表面に水が上がってこない程度に湿っている状態がGOODです。乾いている場合は、水差しで水をやり、水が表面に出てきたら、スポイトやティッシュで吸い取ります。

乾燥に弱いこのコケたちは、ふたを閉めるのを忘れると乾いてチリチリになってしまうので、注意が必要なんですよね。

その他の大半のコケたちは、少し隙間の開いたガラスの器に入っています。

ふたとビンの少しの隙間

このタイプのガラス容器に入っているコケには、水やりは3週間に1回程度でOK。

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直射日光の当たらない窓際にずらっと置いてます。朝日が数分入れば光合成には十分

コケは寒さには強いですが、暑さには弱いです。容器の中が27℃を超えるとコケは弱ってしまいます。

水槽に設置するLEDライトもコケのために使用中。温度・湿度・光の管理が重要です。

8:00/出勤しながらコケ観察

通勤で毎朝通る道端にも、色々なコケが生息しているんです。

毎日見ていると、色や生え方の変化に気づきます。今まで気づかなったところにコケを見つけるとうれしい気持ちになります。

雨の次の日はとくにコケがきれいだから、ワクワクしますね。

マンホールの穴も、コケが好む場所。かわいい

今日はどんなコケテラリウムを作ろうかな、なんて考えながら仕事をしています。

18:30/帰宅 

コケを横目に、家事・食事・入浴。早くテラリウムを作りたいから、さっさと済ませようとがんばります。

20:00/コケテラリウムの作成開始

いよいよ夜のコケ活です。新しいコケテラリウムを作っていくぞ! 仕事の疲れや悩みを忘れられる、至福の時です。

まず、ガラス容器に土を入れます。

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続いて石を入れます。

が、石の配置はテラリウムのカッコよさにかなり影響するので、慎重に。真剣に。

「ちょっと大きすぎる」「向きが逆だな」なんて散々試行錯誤の上になんとなく石の配置が決定しました。

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これだけでもいい感じじゃないですか?

水差しで土を湿らせたら、いよいよコケを植えていきます。

ピンセットで、1本、1本。

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小さなコケの毛並みを揃えるように
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無心になって、時間を忘れてコケを土に刺していると気持ちが落ち着く
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1つひとつ丁寧に

24:30/就寝

気づいたら4時間経っていました。もう少し続けたいけど、明日も仕事なので。後ろ髪を引かれつつ就寝です。

ちなみに、2日後に完成しましたー!

ある日のコケ活スケジュール(屋外を楽しむ)

続いて、屋外でのコケ活スケジュールを紹介します。

今回は鎌倉でコケを楽しんだ1日を振り返ってみますね。

7:00/家を出発 → 9:20/鎌倉駅近くのお寺に到着

本堂の天水桶にホンモンジゴケというコケがこんもり青々としています。このこんもり具合がたまらないんです。

このコケは緑青を好むので、銅吹きの屋根や天水桶の近くに多く見られます。ジメジメしたところにいるイメージのあるコケですが、種類によって生息する場所が違うのも性格が出て可愛いですよね。

ホンモンジゴケの拡大写真。水を受けてツヤツヤと美しい。

10:00/コケテラリウムのセミナーを受講

某コケ専門店で、コケテラリウムの講義を受けます。
このコケ専門店が大好きすぎるので、わざわざ時間をかけて鎌倉まで通っているんです。

コケを好きになってから毎月通っているから、通算10回以上は来ています。
お店の雰囲気も店主さんも大好きです。

今日は大きめのテラリウムを作成。
毎回違うテーマのテラリウムを作れるし、いろいろな技術や知識を教えてもらえるし、店主さんのコケ愛に刺激を受けます。他のお客さんとお話しするのも楽しいですね。

13:00/いつも行く定食店さんでランチ

店の前には、店主が育てている盆栽が所狭しと置いてあります。

盆栽がフサフサと蒴(さく)を伸ばしている様子。小さい植物をつい愛でてしまう

14:30/北鎌倉のお寺に到着

広大な敷地内にはさまざまなコケが生息していました。

ゼニゴケ。雄株は紫色
エビゴケ
ジンガサゴケ
いろいろなコケが混じりあって美しい

16:30/お寺の閉門に合わせて帰路につく

すっかり、コケを満喫しました。歩数アプリの表示は12,012歩。コケを楽しみながら、運動にもなる。コケ散歩は一石二鳥です。

心がホクホクしています。明日からのお仕事も頑張れちゃいますね!

まとめ コケのかわいさ、伝わった?

もしかしたら地味なイメージがあるかもしれないコケですが、このようにたくさんの楽しみ方があるんです。

ミニチュアや模型が好きな方はコケテラリウムを好きになる可能性大だし、ちょっとコケに目を向けてもらうだけでいつもお散歩がより楽しくなります。

少しでもコケの魅力が伝わったならうれしいです。

さて、次はどんなコケテラリウムを作ろうかな〜。

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