2025.10.20

お知らせ

株式会社 Turquoiseの取り組み
マイナビ農業にて紹介されました

株式会社マルハン(本社:京都・東京)の東日本カンパニー(社長:韓 裕)の子会社である株式会社 Turquoiseの取り組みについてこの度、2025年10月20日付『マイナビ農業』にてご紹介されましたことをお知らせいたします。
以下、記事の原文と写真となります。ぜひご覧くださいませ。

掲載記事
●記事タイトル:1つの事業案から始まった循環型農業。
        武田兄弟が挑むアクアポニックスの現在地とこれから
●掲載媒体  :マイナビ農業
●掲載日   :2025年10月20日


パチンコ業界大手・マルハンが、障害のある人も誇りを持って働ける場づくりを軸に挑む新事業「ターコイズ」。群馬県高崎市の温室で、水産養殖と水耕栽培を掛け合わせたアクアポニックスに取り組み、チョウザメ(キャビア)と食用花、サンチュを無化学農薬・無化学肥料で通年生産する。慣行比約80%の節水、太陽光発電の活用など次世代型の要素も取り入れた。社内新規事業提案制度「MIX」から生まれた一つの企画は、なぜここまで形になったのか。現場のリアルと技術、そして未来のロードマップを追う。

水と人が循環する農業「ターコイズ」の全体像
2024年8月、群馬・高崎の静かな農地に最新鋭のアクアポニックス農園が竣工した。施設名は「ターコイズ」。ここで実践されるのは、魚を育てた水で野菜を育て、その水を循環させるアクアポニックスだ。チョウザメの養殖槽、ろ過装置、栽培ベッドを水が巡り、魚の排泄物由来の栄養を野菜が吸収。清澄化した水は再び魚へ戻る。


水資源の使用は慣行農法と比べ約80%削減、栽培は無化学農薬・無化学肥料にこだわり、電力には太陽光発電も取り入れる。 「魚だけでも、野菜だけでも完結しない。二つの力が合わさって初めて成り立つ“共創”に、私たちは可能性を見ました」と語るのは、株式会社ターコイズ代表取締役社長であり、マルハン上席執行役員の武田幸久さん。ターコイズが目指すのは、持続可能な食の生産と、障害の有無を超えて誰もが力を発揮できる職場の両立だ。

事業誕生。社内新規事業提案「MIX」から温室竣工まで
出発点は雇用だった。障害者採用の選択肢をもっと広げたい。武田さんが社内新規事業提案制度「MIX」に提出した企画の核は、働く誇りを生む現場をつくることにあった。そんな折、テレビ番組で偶然目にしたのがアクアポニックス。水と栄養を循環させる仕組みが、企業のパーパスにも、社会課題の解決にも直結すると確信したという。

武田さんの想いは、今の企業ミッションでもある「共創の力を未来のチカラへ」につながっている


採択後は、マルハン西日本カンパニーで働いていた弟の武田恵造さんを招へい。温室仕様の検討、養殖・栽培ラインの設計、人材計画、販路の開拓までを一体で進行。兄弟で役割分担し、構想と現場の立ち上げを同時並行で牽引した。「健常者と障害者が個性を生かして補完しあえることを、事業を通じて社会に伝えたい」。その思いが、2024年8月の竣工へと結実した。

現場のリアル。試行錯誤、再起、そして農福連携の手触り
竣工直後、いきなり大雨に見舞われ一部区画が水没。設備の点検・復旧、動線や排水の見直しを経て、チームは再起動した。アクアポニックス特有の難しさ。水質(pH、溶存酸素、アンモニア)と栽培側の栄養吸収のバランス取りにも時間を要した。給餌量、濾過、灌水を日々チューニングし、最適点を探る試行錯誤が続く。 一方、現場には農福連携の工夫が息づく。播種、定植、収穫、選別、梱包、給餌、モニタリングなど作業を細分化し、適性に応じた担当を設計。見学・実習から段階的に参画できる仕組みで、生産性と安全性を両立させる。何よりこだわるのは“プロの基準”だ。「福祉だから甘くていい」は通用しない。品質、納期、衛生を徹底してこそ、働く人の誇りが生まれる。さらにその成果が働く方のモチベーションアップにもつながる。日々の記録と共有で学び合う文化も根づき始めた。

それぞれの個性を開示することにより、組織全体が働きやすい工夫がなされている


技術と工夫。チョウザメ×野菜、再エネ×有機、6次化の挑戦
ターコイズの循環系は、チョウザメの養殖槽から固液分離・生物濾過を経て栽培ベッドへ、そして再び魚へと水が戻るシンプルかつ精緻な構成。要は「魚の健康」と「植物の栄養」を同時に満たす制御だ。チョウザメは給餌量、水温、ストレス管理を最適化。停電時に備えたバックアップ動力の二重化でリスクを抑える。


植物側は、葉物と食用花を組み合わせた作物ローテーションで養分偏りを回避。無化学農薬・無化学肥料の方針のもと、天敵や物理防除を組み合わせる。 電力は太陽光発電で補い、ポンプや環境制御を支える。


商品面では、通年の野菜・食用花に加え、6次化にも挑戦。エディブルフラワーを使ったアイスや押し花せんべいにマリーゴールドのパウダーを使用したゴーフレットなど、“美しさとおいしさ”を兼ね備えた加工品づくりを進める。将来的にはキャビアの本格展開を見据え、外食・ギフト向けのブランディングも視野に入れる。


未来に向けて。特例子会社化と黒字化に向けたロードマップ
当面の焦点は三つ。第一に、特例子会社の認定取得に向けた雇用・訓練・安全体制の整備。第二に、通年出荷の安定化。歩留まりと規格率の向上、出荷先の分散で需要変動に強い体制を築く。第三に、原価管理の徹底で黒字化を確かなものにすることだ。高付加価値ゾーンの深掘り(キャビア、エディブルフラワー)、6次化の磨き込み(OEMやコラボ、体験型販売)、BtoBとBtoCの二層展開で収益性を高める。

(左)武田幸久さんと(右)武田恵造さん


「本気で一流を目指す。結果で示して、農福は強いと言われる事例を増やしたい」。兄弟で描くビジョンは、地域に根差しつつも、その先の社会を見据える。「自分たちが楽しみながら、社会に価値を届ける」。ターコイズの挑戦は、今日も水と人を循環させながら前へ進んでいる。

■企業情報
●会社名  :株式会社 Turquoise
●代表取締役:武⽥ 幸久
●所在地  :群馬県⾼崎市下⼩塙町661
●設立年  :2022年9月14日
●事業内容 :循環型農法による陸上養殖及び水耕栽培

■こちらの記事についてのお問い合わせ
企業名   :株式会社 Turquoise
お問い合せ先:https://www.tq-japan.co.jp/contact/

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