「みなさん、ただオープンできればいいとは思っていませんか?」新店舗のオープン準備中、朝礼の練習をしていたときに私は言いました。新店舗のオープン、通称”グランドオープン”は、マルハンのなかでも特に大きな仕事のひとつ。知り合ってまだ1〜2ヶ月というメンバーで行うこの仕事は、みんなの足並みを揃えるのがとても難しいんです。そんなときに思い出したのが、一般社員のリーダーをやっていた頃のこと。なんでも自分でやってしまおうとして、うまくいかない時期が続いたことがありました。そのとき私は、自分だけでやっていても何も解決しない、みんなで同じ方向に進むことで2倍、3倍、それ以上の力が生まれるはずだと気づきました。オープン準備でもそれは変わりません。私はメンバーのみんなに、「素直な気持ちでお客様をお出迎えしたい」と、もっとお客様のことを本気で考えて欲しいということを伝えました。すると、もっとこうしたほうが良いんじゃないか、と本質的な意見が自発的に出始めたんです。私が言ったのは純粋な私の想い。それが伝わったのは、みんなの心にも、その想いの種があったからだと思うんです。
スタッフの中には、お客様のお名前と顔、誕生日を多く覚えているスタッフもいます。誕生日のお客様にバースデーカードをお届けすることが習慣になっているスタッフもいました。そういうサービスが当たり前になっているのは、「ベストの追求」という行動指針を持つ、マルハンだからだと思います。他にも、お客様からお預かりしたカウンター賞品のお菓子を養護施設に寄付をするという活動を毎年行っていました。そのような事が当たり前になっていた時、「そのお菓子を自分たちの手で届けたい」という意見が出たんです。それも、アルバイトのスタッフの方から。みんなもその想いに共感し、実行に移すことになりました。いざ実行に移すとなると、押し付けがましいのではないかなど、不安な部分もありました。しかし、実際にサンタクロースの格好をしてお菓子を届けると、すごく喜んでくれたんです。マルハンの想いがスタッフに根付いているから生まれた行動だと思います。